60upが！60upが！！
ここは新しい
釣り場。
野池のようでダムのようなところ。
湖に一番近いだろうか。
でも随分と広い。
017はジーンズにTシャツで、漆黒のロッドを手に断崖に立っている★
まるで
東尋坊を思わすようなその断崖で、017はひたすらキャストし続けていた。
時間は夕暮れ前。
017以外に誰一人バサーは居ない×
山奥に位置するこのポイントは、とても静かで鳥のさえずりも何の音も聞こえない。
静寂を切り裂くようにただキャスト音だけが響きわたる・・
シュッ！
ちゃぽん。
ルアーが水面に落ちる。
時折引き波を立てながら水面直下を泳ぐミノー。
その姿の一部始終を見られる程に水は澄みきっている☆
微動だにせず巻き続ける017。
と、そこへいきなり忍び寄る黒い影！
しかし017は全く動じない。
それに反応することもなく、瞬きすらせず、ただひたすらに同じスピードで巻き続ける。
それはまるで決められた動作を淡々とこなすロボットのようであった。
最初からそこにあるオブジェのようでもあった。
・・・・・・・・
底はいつもと変わりなく薄暗かった。
しかし
ロクマルにはいつになく暗く澱んでいるように感じた。
長くこの場を生活の基盤にし、余生を過ごすにも良い場所だった。
だがこの日はすごく息が詰まったのである。
そんな思いからか、この日はいつもより中層を泳いでいた。
そして明るい水面がいつもより気になった。
漠然と眺め、もやる光景をいつまでも見つめていた。
ピシャピシャピシャピシャ・・・
水面を遠くから何かが近付いてくるような音が微かに響く。
ゆっくり、でも確実に。
何だろう？
そう頭の片隅で思ったが、今日のロクマルには大して重要なことではなかった。
それほど食欲も無かったし、例え侵入者だとしてもその相手をする気分ではなかった。
段々と近付いてきたその音に目をやる。
遠くから見えてきたその姿が少しずつ鮮明になっていった。
その小さな体は薄いピンク色をし、ブルブルと震いながら泳ぐ者だった。
ただ前だけを見据え、何の迷いも無くこの湖を泳いでいた。
子供程の小さな体で、恐らくは女性であるように見受けられた。
しかしその泳ぎからは想像出来ない強さがそこに感じられたのである。
気が付けばロクマルも泳ぎ出していた。
その者をもう少し見ておきたかった。
何か後ろめたいことでもあるかのように少し離れて後ろを泳いだ。
その者は上品で華やかであり、しかし、大きな一本の光のような力強さ。
輝かしいその姿は、どんな自分でも黒く汚れてるように写ってしまう自己嫌悪を生み出していく。
見る度に輝きを増し、周りにあるその他形ある物全てを凌駕していった。
なんて美しいのだろう。
ロクマルはすっかりその者に魅了されてしまった。
気が付けば随分近くを共に泳いでいた。
今では同じ方向を向いて泳いでいる。
導かれたのだ。
それに気付いた時、ずっとこの者に付いていくことを決心していた。
そしてロクマルの後ろ、横にも、同じように導かれ決心した同胞たちが続いた。
さぁ、行こう！
我等が同志よ！
あのお方に遅れをとるでないぞ！！
続けー！！
全員が同じように続いた。
そして無の如くひたすらに泳ぎ続けた。
その時、薄いピンク色のお方の輝きが増した。
身体から光を放ち、泳ぐスピードが若干落ちた。
ロクマル。
今よ。
私と交わるの。
時間がないわ。
早く！
直接脳に語りかけてくる声は、間違いなく目の前を泳ぐお方からだった。
もはや体は勝手に動いていた。
更に距離を縮め、真後ろまでくると、その光り輝く薄ピンクの身体を躊躇なく自分の中へ迎え入れた。
バクッ！
ずっと巻き続ける017の手に、大きな重みが乗った。
ドンッ！！
確かな手応えと共に、反射的にフッキングを入れる。
よし、完璧だ。
不安要素はない。
完全なフッキング。
ランディングの邪魔になるような障害物も無い。
そしてこの漆黒のロッドはどんなモンスターにも屈しない強靭な剛性がある。
たとえランカーサイズの相手でも容易に抜くことが出来るだろう。
017は慎重に且つ強引に魚を引き寄せる。
頭の中には様々な思いが巡った。
釣りを始めて3年目。
初めてバスフィッシングで40upを釣るという華々しいデビュー。
その後も釣り続けてすぐさま45upをGET。
おれは釣りのセンスがあると勘違いしたのも束の間、全然釣れなくなった。
今年は20cm程度1匹しか釣れていない。
そんな下手くそキャラを一蹴出来る。
間違いなくランカーがこの竿にかかっている！
一体どれぐらいの時間格闘しただろうか。
さすがの相手も疲れてきたらしく引きが落ち着いてきた。
遂にその勇ましい顔を拝む時だ。
さぁ出てこいモンスター。
おれにその勇姿を見せてみろ！
だんだんと上がってくるモンスター。
水面にその影が浮かび上がる。
デカい。
全長だけじゃない、体高もものすごい。
水面から上がったその姿はまさに妖艶。
見事なまでの純黒のボディーだ！
遂に、
遂に釣ったぞ、
真っ黒な、
真っ黒なガードル！！
一応017はそのガードルをジーンズの上から履いてみた。
意外と似合っていた。
という小説的な訳分からんリアルな夢見ました★(爆)
多分よっぽど釣りに行きたかったんでしょう。。。
なぜガードルだったのかは謎です・・・（苦笑）
なんか皆さんすいませんm(__)m(笑)
ＧｙｏＮｅｔ（ぎょねっと）ブログ
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